「アカシヤ会」会報 2014年7月発行 第240号

函館・登校拒否と教育を考える親の会「アカシヤ会」が
定期的に発送しているニュースレターを掲載いたします。

5月18日は子どもの未来を支援する道南ネットワークの集いを開催、不登校やひきこもり、発達障害などの当事者会や相談支援に関わる12団体が活動紹介を行い、市民・関係者約70名が参加しました。

これだけの団体が一堂に会するのはおそらく初めてで、5組の方の個別相談も併せて実施することができ、とても有意義なイベントとなりました。

6月16日は10名と久しぶりにこじんまりした例会でしたが、初参加の方もおいでになり、じっくり語り合うことができました。

例会日程:以下は函館市総合福祉センター「あいよる21」開催です(13:30~16:00)

7月20日・10月19日・12月21日(4階会議室) 11月16日(1階集会室)
8月17日は「地域交流まちづくりセンター」(末広町4-19)ですのでご注意ください。

9月21日(日)は拡大例会です! 13時~16時、あいよる4階会議室

冠地清さん(東京都成人発達障害者当事者会「イイトコサガシ」代表)の「自分の可能性を開花させるためのコミュニケーション実践講座」を開催します。

イイトコサガシが開発した「楽しくコミュニケーションを試行錯誤する体験型プログラム」に、7~8人がグループになって冠地さんのリードで実演してもらう講座で、

発達障害の方はもちろんですが、そうでない方にも、ご家族や相談支援に関わる方にとっても、コミュニケーションのスキルアップに役に立つプログラムです。

実演には参加しないで見学だけとい方もOKですので、お気軽にご参加ください!(^^)! 次号にチラシを同封します。

9月20日は侑愛会主催の冠地さん講演会もありますので是非ご参加くだい(次号にチラシ同封)。


★5月の集いは各団体の報告の後、「不登校」「ひきこもり」「発達障害」の3グループに分かれ質疑・意見交換を行いましたが、最も参加者の多かったのは発達障害のグループで、関心の高まりや悩む方が多い現状が浮き彫りになりました。

それだけに「発達障害が不登校やひきこもりの原因になる」と短絡的に考えるのではなく、「発達障害について周囲が十分理解せず、不適切な対応をすることで本人が辛くなり、

自信をなくして学校に通えなくなったり、就労や社会参加ができなくなってしまう」という視点が必要であることをあらためて強く思いました。

今回もそうですが、アカシヤ会の公開イベントは渡島檜山管内の全ての学校に毎回ご案内しています。
それだけに、いつも学校関係者の参加が少ないのが残念ですが、今回嬉しいこともありました。

それは、遠方の高校の先生が不登校気味の生徒さんを心配し、どのように対処したら良いか相談においでになったことでした。


★高校の不登校や中退問題は、そこに至る経過や背景は様々ですし、仮に中退した後のサポートも考慮するととすれば、当該学校だけで対処することは難しいと思います。

私どもの会がどの程度お役に立つか分かりませんが、学校だけだ抱えこむよりは、一緒に考えることで何か手がかりを得ることができるかもしれませんので、是非多くの学校に私たちの取り組みを知っていただきたいと願っています。


★その意味でも、6月28日の「第8回多様な学び勉強会」はとても大事な集いになると思います。

詳しくは同封チラシご覧いただきたいのですが、キャリアカウンセラーの斉藤瑞さんがご自身の実践を通して、高校中退や就職が難しいなど、さまざまな問題の中で将来を考えていかなければなならい若者について講演いただき、参加者で話し合います。

また、チラシ裏面に「昴の会」5周年の新聞報道記事と「不登校・高校中退生のための合同学校相談会」のお知らせを載せていますので、あわせて参考にしてください。


★6月5日、函館圏フリースクールすまいるで開催したランチ例会には、すまいるスタッフも含め15名が参加、持ち寄った昼食をシェアしてのおしゃべり会は、和気あいあいアの雰囲気であっという間に時間が過ぎ、結局フリースペース終了の15時まで居座ってしまいました(^_^;)

すまいるスタッフのお仕事に支障をきたしたのではないかと反省していますが、有意義な交流の場になりましたので、これからもまた開催したいと考えています。

今度はイッパイやりながらの「ディナー例会」はどうだろう、なんて話も出ています!(^^)!


★6月例会には、小学生、中学生、高校生のお子さんが現在不登校中というお母さんが4名参加されました。

それぞれ経過や事情は違っていますが、共通しているのは、お子さん自身が「学校に行きたいけどいけない」「修学旅行だけでも行きたい」「このままで将来は大丈夫だろうか」と訴えていることです。

一般的に不登校になるお子さんは真面目な子が多いので、「思うようにならない自分」を責めてしまい、さらに辛くなってしまいます。

あるお母さんが、「もう少しチャランポランな方が良いのだけれど…」と仰っていましたが、その気持ちはとても良く分ります(^_^;)

「無理に学校に行かなくてもいいんだ」とお子さん自身が思えるようになると、グンと楽になるのですが、「みんな学校に行ってるのに」「義務教育だから」「高校くらいは卒業しないと」という「世間の常識」から、子どもが自由になるのは至難の技だと思います。


★ですから、まずは家庭が学校へのこだわりをやめ、お子さんの不安な気持ちを和らげる緩衝地帯になってほしいと願っています。

今回参加されたお母さんたちは、お子さんの不登校が始まってから、かなり早い段階で「無理強いはダメ」ということに気がつき、お子さんを見守る姿勢に変わったのは素晴らしいと思います。

ただ、やはり「このままでいいのだろうか」という不安はぬぐえませんし、家庭の努力だけでは限界もあります。

それだけに、学校の対応がとても重要ですが、とてもありがたい実例が話されました。


★この小学生のお子さんは、他の児童と会う心配のない放課後の遅い時間に登校し、担任の先生とおしゃべりしたり、本人が望めば勉強も教えてくれるそうで、本人は嫌がらず通っています。

これは担任だけの判断ではなく、学校としてそのような受入体制をとっているようです。

今のところ「それじゃ次は朝からおいで」というような働き掛けもないそうで、ここがとても重要です。

保健室登校でも放課後登校でも、それは「通常のクラスに戻るための準備」ではなく、「今できていることが100点」と学校全体で認めてあげて、決して先を急がない対応が大切なので、この学校がそうであることを心から願っています。


★また、こちらの高校生に対しては、先生は登校するよう説得したり、「このままだと進級が難しい」といった脅かしは一切ないそうです。

むしろ、本人にも親御さんにも、「必ず今の高校を3年で卒業しなければだめと考えずに、休学したり、無理なく行けそうな学校に移っても良いのだから、ゆっくり考えよう」というスタンスで関わってくれているそうです。

お子さんは先生を信頼しており、話し合いができる関係が保たれているのは、先生のそのような配慮があるからではないかと思います。

是非多くの学校が、無理に登校を迫らず、同時に生徒を見捨てず、本人や家族が少しでも安心できるような適切な情報提供に努めていただくよう願っています。


登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会では、運営委員を募集しています。

例会の後に適宜開催していますので、例会で話し足りなかったことなどを語り合う場にもなり、いろんな方々とのつながりも増えてとても有意義だと思いますので、お引き受けいただける方は野村までご一報いただければ幸いです!^^)!

※例会参加費:資料代200円(年会費千円納入の方、17歳以下のお子さんや学生は無料です)

※代表:野村俊幸   〒042-0932 函館市湯川町1丁目25番4号
携帯:090-6261-6984  FAX:0138-57-3041 Eメール:tnomura@sea.ncv.ne.jp

※運営委員:安藤とし子 後藤健一 小林敏雄 鈴木三千恵 高石勇光 武井砂人 田中透
寺島真寿美 三浦晋一郎 匿名の方1名