「アカシヤ会」会報 2017年1月発行 第258号

函館・登校拒否と教育を考える親の会「アカシヤ会」が定期的に発送しているニュースレターを掲載いたします。

あけましておめでとうございます!(^^)!

11月18日例会の参加者は14名、今回も初参加の方がおられ、毎回のように新しい方が参加されます。

また、フリースクール「すまいる」の新スタッフの越智さんも参加されました。

素敵なお嬢さんです!(^^)!

12月18日の例会は12名が参加、やはり初参加の方がご夫婦でおいでになりました。

「父親がなかなか理解しないので困る」という悩みがいつも出されますので、ご夫婦で参加くだるのはとても嬉しいです!(^^)!

今回はお子さんが小学生と中学生以上の2グループに分かれましたので、よりきめ細かな話し合いができました。

例会日程:会場は函館市総合福祉センター「あいよる21」開催です(13:30~16:00)

1月15日1階集会室  2月19日3階第1会議室  3月19日4階会議室
4月16日4階会議室 5月21日3階第1会議室 6月18日4階会議室

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※アカシヤ会は1月から新年度ですので、会員を継続いただける場合は、同封の振込用紙で、年会費千円をお支払いいただくか、1月か2月の例会にご持参ください。

※ハガキによる交流に運営委員の安藤さんが取り組んでくださいます。詳しくは同封チラシをご覧ください。
手紙のつながりから、家族内の会話も広がるかもしれません!(^^)

※例年、2月例会終了後に新年会を開催しています。今年はまだ確定していませんが、「参加できるよ!(^^)!」という方は、1月15日の例会までに野村にご一報いただければ幸いです。

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◆今年も「進路」をどうするか、親も子も学校側との話し合いを避けられない時期がきました。

例会の話題の1つにもなりました。

学校との接触を拒否する子どもに話すタイミング、学校側への返事の内容、子どもの進学の意思、またその意思を確認をどうするか、いつまで考えていられるのか・・・「進路」に関した親の心配事は複雑です。

そのヒントとなりそうな当事者の言葉と親御さんの対応の一例をお伝えしたいと思います。

◆当事者から・・・

「親にしてもらって一番感謝しているのは、家でゆっくりと過ごす時間をくれたこと。

好きな事をしてのんびりと過ごすうちに、頭の中が整理され気持ちも落ち着いてきた。

そうなると、自然と自分の進路のことが気になってきた。

ちょうどそのタイミングで、ゆっくり考えてみてと学校から進路の話があり、親と資料を見ながら考えることができた。

私は自分の経験を生かしたかった。現在大学で心理学を専攻している。」

◆親の立場から・・・

「情報提示はした。
いっしょに進路を考えたが、決定権は子どもにあるということを忘れないようにした。

そして、子どもが決めて行動したことはそのつど受け入れ、その先のことは子どもの判断に任せた。

進学先を決めたときは自分で決められたので良しとし、願書を出すかどうかは本人しだいとした。願書を提出後も実際に受験するかどうかは本人しだい。

合格後も合格したことはすごい、でも通学するかは本人しだい。

こんなふうにひとつひとつの子ともの行動をここまでできたと評価し、次にどうするかは子どもの判断にゆだねた。

途中で退学することもありうると考えたうえでの高校入学だったが、無事卒業し、進学した。」

◆進路について話すタイミングは、今時期ならいつでもいいと思います。

世間一般が「進路」について考える時期ですから、腫れ物に触るようにタイミングをうかがっているほうが不自然かと思います。

ただ「進路決定」というのは、「○○高校へ進学したい」と決めることだけではありません。

「進路先について今は考えられない」

「卒業してからになってもいいので、時間をかけてゆっくり考えたい」といった考えも「進路決定」だと思います。

学校側に伝えていい返事ではないでしょうか。

◆会員さんの中にも、3月のギリギリになってから進学した、高校の入学式直後でも入学可能な高校があるなどの情報もありました。

また入学した高校が合わず転校・編入などを経験し、その後順調に過ごしている方も何人かおられます。

ただ高校は単位取得制なので、転校・編入の可能性も考えられるのであれば、通う高校の単位取得科目・単位取得状況なども把握しておいたほうが、つまずいてしまった場合の対応がしやすいようです。

◆ある会員さんが言っていました。

「どんなにいいと聞かされていた学校でも、実際本人が通ってみて、どんな人との出会いがあるかにかかっていると思う。」と。

やってみるまでは、今決めたことが「正解」かどうかはわかりません。

そしてそれぞれの子ども達に様々なかたちの「正解」があります。

たとえ「不正解」の経験をしたにしても、「人生において経験したことに、ひとつも無駄になるものはない。

すべて生かされていく。」と、私はある方に教わりました。

≪運営委員の安藤さんから寄稿いただきました≫

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【教育機会確保法成立!】

同封の新聞記事のとおり、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法)が成立しました。

話のスタートは、全国フリースクールネットワークの「不登校の子どもたちが学校以外で学ぶ場を制度として認めてほしい」という要求でした。

学校に無理に戻そうという対応が不登校の子どもと家庭を苦しめている現実を変えたいという切実な思いから始まった取り組みは、シュタイナー教育など既存の学校教育では満足できない様々な教育実践や、硬直した日本の教育制度を変えたいという運動と結びつき、2012年に多様な学び保障法を実現する会が発足し、新法制定の運動が始まりました。

その後、フリースクール議員連盟などとも協働しながら取り組みを進め、昨年は議員立法により多様な教育機会確保法を実現する機運が高まりました。

当初の「多様な学び保障法」が求めていたのは、初めから学校教育法による既存の学校とは別に学ぶ場をつくることを認め選択できる自由でした。

しかし、日本社会の根強い「学校信仰」の下では一気にそこまでは無理であろうとの判断もあり、議連立法チームの案は学校教育法を前提に、不登校の子どもが家庭やフリースクール等で学ぶことを「個別学習支援計画」で認定し、学校以外でも育つことを認めようというものになりました。

しかし、同封の記事にあるように自民党内の「不登校を助長する」という反対も強く、「多様な」が削除され、不登校児童生徒の学習を支援するという内容に落ち着きましたが、法律には「学校以外の場において行う多様な学習活動の重要性」「不登校児童の休養の必要性」(法第13条)などが明記されました。

この法律ができたから、ただちに子どもや家庭が、無用な登校圧力を受けずに、いたるところに多様な学びの場ができるというほど現実は甘くはないでしょう。

しかし、大きな手掛かりができのは確かで、当事者はこれから一層声を上げ続けることが大事だと思います。

また、前号でも紹介したように、文部科学省は9月14日に「不登校を問題行動と判断してはならない」と明記した不登校児童生徒への支援の在り方のついて(通知)28文科第770号を出しています。

この通知や今回の立法を大いに活用し、不登校への正しい理解と適切な対応について、学校関係者をはじめ広く社会に周知していきたいですね!(^^)!(新聞記事裏面に通知の抜粋を掲載)

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※登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会

◇例会参加費:資料代200円(年会費納入の方、17歳以下のお子さんは無料です)

◇当会は公的助成等を受けず、会費・寄付のみで運営しておりますので、当事者だけでなくこのようなテーマに関心をお持ちの方々にも広く会員になっていただき、ご支援・ご協力くだされば幸いです。

◇代表:野村俊幸

〒042-0932
函館市湯川町1丁目25番4号

携帯:090-6261-6984
FAX:0138-57-3041
Eメール:tnomura@sea.ncv.ne.jp