「アカシヤ会」会報 2015年5月発行 第245号

函館・登校拒否と教育を考える親の会「アカシヤ会」が定期的に発送しているニュースレターを掲載いたします。

3月15日の例会はナント21名の参加者で「小中学生の不登校」と「中学卒業以上の不登校」の2グループで話し合いましたが、それでも時間が足りませんでした。

4月19日例会は、ナントナント29名の参加で、やはり3月例会同様の2グループで話し合いましたが、今回も時間が足りず、3つに分けることも考える必要がありそうです。

また、終了後もさらに話し合いたいということで長時間ロビーで話し込む方も多いので、5月からは会場を続けて確保し、例会はいったん16時に終わりますが、引き続きその会場で自由に懇談できるようにいたします。

例会日程:会場は函館市総合福祉センター「あいよる21」開催です(13:30~16:00)

5月17日・7月19日・9月20日は4階会議室、6月21日は1階集会室 

8月21日は「函館地域交流まちづくりセンター」で、「発達障害」についての勉強会として開催します。

「自閉症スペクトラム障害成人当事者の会・よせなべ」代表の白崎やよいさんに講演いただき、質疑応答・意見交換を行いますので、多くの皆さんの参加をお待ちしています。

※この秋、アカシヤ会講演会に度々登場してくださったBig2が函館で講演します!(^^)!

【芹沢俊介さん講演会】
「存在論的ひきこもり論」「ひきこもるという情熱」などの著者
9月27日(日)15:20~亀田福祉センター、同日13:20からのドキュメント映画「隣る人」上映会に続いての講演 (主催:「隣る人」自主上映実行委員会、函館YWCA)

【内田良子さん講演会】
NHKラジオ「子どもの心相談」でお馴染みの心理カウンセラー
10月17日(土)午後、主催予定:登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会
翌18日(日)午前に、内田さんを囲んでの拡大例会を開催します。

※同封資料も是非ご参照ください。
「進路をめぐる情報」(第1版)はこれからも皆さんからの情報をもとに加除修正していく予定です。
「道南地域の当事者グループ」の裏面は5月・6月の行事予定ですので、ご参加をお待ちしています。「すまいる」が、リニューアルオープン!月報をご覧いただき、積極的にご利用ください。フリースペースが広くなり、毎週月曜日13時~15時、保護者や関係者との個別相談も行います。


【不登校体験者の肉声「ゆっくり過ごす時間を与えてもらいありがたかった」】

 3月という事もあってか中卒以降年代グループでは、皆さん今後の方向が決まっており、落着いた話し合いでした。いじめ・その他の理由で中退を決めた方、新しい進路が決まった方の参加でした。

 今は自宅にいる子ども達ですが、アルバイト・習い事などに活動中のお子さん、自宅待機でゲームなど好き なことをするお子さんなど、その過ごし方もそれぞれでした。親御さん達もみなさん「子どもを見守っていこう」という気持ちでいますが、反面「この先どうなるのだろう」という不安がなくなったわけではないと言います。

この「親自身の不安」が「子どものためを思って心配してやっている」という方向にすり替わり、子どもに対してあれこれ言いたくならない ように気をつけなければ・・・という話になりました。

いじめが原因にあった方々は、「正直な所、いじめにあったわが子が学校を去ることになり、いじめた側は学校に残るというのが納得できないという気持ちがなかなか消えない。」といいます。

けれどもいじめの原因を追究し、いじめた相手を特定し、謝罪または処罰するには、わが子をまた「いじめの世界」にひきもどす過程をたどることにもなります。

これはわが子の傷をますます大きくすることになりはしないか・・・割り切れない親の気持ちとわが子の心の傷の大きさを考えた時、子どもが「いじめ」の追及を望んでいないのであれば止めたほうが賢明だろうという話になりました。

不登校を経験された方が、「父とはもめたことがあったが母は理解してくれ、自分の好きな映画のDVDやCDを借りてきてくれて、家でゆっくり過ごせる時間を与えてくれた。そうした時間を過ごすうちに、将来への不安・在学中の高校の卒業見込み・不登校に至った精神的疲れなどで混乱していた頭と心が少しずつ整理され落着いてきた。

そして進路のことも考えられるようになり、現在は大学で心理学を専攻している。」と発言されました。
また、親にしてもらって一番ありがたかったことは、「ゆっくりと過ごせる時間を与えてくれたこと」だということでした。

私達親は改めて「見守ることの大切さ」を胆に銘じたわけですが、新しく進路を決められた方々には「4月になったら本当に行くのか」という思いはやはりあるようです。

それについては、「やるだけのことはやった。でも行かないだろう」と考えて、行かない場合を想定した心構えをしておく。そして行けたらラッキー、すごいと思えばいい。「転ばぬ先の杖を用意しようとするよりは、転ぶと想定し、転んだ時の起き上がり方を考えておくほうが良いのでは。」という意見も出されました。

この例会に参加すると先輩の方々の話が聞けて自分の心が落着く、子どもを見守りながら様々な情報を収集し学習しておき子どもが動き出そうとした時に共に考えてあげられる親になろうという話で終了しました。(安藤)


【まずは親御さんが元気になることから】

いよいよ新学期が始まりました。今回は小中学生のグループに参加しました。初めて参加された方が半数近くいらっしゃいました。私も「不登校」の子と関わって25年ほどになりますが、わが子が学校へ行けないとわかったときの親御さんの思いは、この長い年月、変わることはありません。

どなたも 初めてお会いしたときは、表情が硬く、目は悲しみに沈み、体全体から不安と絶望感のようなものが漂っています。それはそうでしょう。

わが子が「普通の子と違う状態になった」というショック、「早く普通の状態に戻したい」、「どうしてこうなったの?」、「どうすればいいの?」といった思いが頭の中を駆け巡ります。

それに加え、身内や友人、教師にまで、「甘やかして育てたから」、「しつけが悪かったんじゃないの」などといわれることも多々あります。それでなくても「私が悪かったのでは・・・」という自責の念はつきまといます。

こうなると、子どもを休ませると決心したものの、「家でくつろぐ子どもの姿を見ていることさえ辛くなる」と言われるお母さんも、1人や2人ではありません。

親の育て方が悪くて、子どもが「不登校」になるということはありえません。第一、「私は立派に子育てしています」と自信を持って言える親御さんていらっしゃるのでしょうか。

子どもに問題がある・なしにかかわらず、普通に学校に通っているお子さんの親御さんにも不安や悩みはあるはずです。「お母さんて、どんなお子さんをお持ちのお母さんもみんな同じなんですよ。」と言って下さった方もいらっしゃいました。

親は子どもが生まれたから「親」になるのではない、子どもが生まれた時から「親業」がスタートするのだと、私は思っています。ですから、失敗があるのも当然で、子どもの成長とともに、親も「親」として成長していくものだと思います。

失敗からは「後悔する事」ではなく、「次に生かせる事」を見つけてほしいと思っています。いくら過去を悔やんでも、過去を変えることはできません。自分を責めたり子どもの姿を見て嘆いても、何も変わるものはありません。毎日の暮らしが暗くなるだけです。

まず、お母さんが前を見ましょう。そして、前向きな姿をお子さんに見せましょう。何も言わなくても、ただそれだけでもお子さんに「安心」を伝えてあげられると思います。そして、前を向く気力が失せそうになったら、また「アカシヤ会」にいらしてください。

例会終了後、涙、涙だったお母さん達が、笑顔で帰られたのが、とても印象的でした。(安藤)


登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会では、運営委員を募集しています。例会の後に適宜開催する形なので大きな負担にはなりません。

例会で話し足りなかったことなどを語り合う場にもなり、いろんな方々とのつながりも増えます。お引き受けいただける方は野村までご一報いただければ幸いです。

※例会参加費:資料代200円(年会費千円納入の方、17歳以下のお子さんや学生は無料です)
※代表:野村俊幸  〒042-0932函館市湯川町1丁目25番4号 携帯:090-6261-6984
         FAX:0138-57-3041 Eメール:tnomura@sea.ncv.ne.jp
※運営委員:安藤とし子 後藤健一 小林敏雄 鈴木三千恵 高石勇光 武井砂人 
田中 透 土谷結花 寺島真寿美 豊田美智代  三浦晋一郎 吉田保美  匿名の方1名