「アカシヤ会」会報 2016年3月発行 第252号

函館・登校拒否と教育を考える親の会「アカシヤ会」が定期的に発送しているニュースレターを掲載いたします。

 

1月17日例会には、なんと26名の方に参加いただき、「進路」「日常生活」「発達障害」と、初めて3グループに分かれて話し合いを行いました。

 2月21日例会は15名が参加、内容の濃い話し合で、終了後の新年会も13名が参加し大いに盛り上がり、私(野村)はチト飲みすぎました(^_^;)

 2015年1月~12月は「ランチ例会」を含めて13回の例会を開催し、のべ282名が参加、1回平均が22名と2014年のほぼ2倍でした。10月17日の内田良子さん講演会も約80名が参加、不登校について理解を広める活動の必要性をあらためて痛感する一年となりましたので、今年もご支援、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。


 例会日程:会場は函館市総合福祉センター「あいよる21」開催です(13:30~16:00)
3月20日・4月17日・6月19日・7月17日は第4会議室です。
 
 5月15日は1階会議室で、この日は不登校を体験した当事者・親御さんに体験を語っていただいて質疑応答を行う勉強会の形で開催します。
□体験者Sさんの発表:20代女性、小学5年生から不登校、フリースペース自由高原などに参加 

□体験者Dさんの発表(予定):20代女性、中学で不登校、長いひきこもりを体験し現在アルバイト中

□お母さんはTさんと鈴木さんの体験報告。鈴木さんのお子さんは、中学時代に長く不登校して現在大学生、「不登校の子どもに聞きたい」ことを事前に連絡いただければ、本人に問合せてお子さんの 意見や気持について紹介くださるとのことです。
鈴木さんへのご質問は☎090-2054-7693へ。


※当会は2016年1月から新年度ですので、継続して購読をご希望の方は同封の振込用紙で会費を納入いただくか、例会参加時にご持参ください。すでに納入済みにもかかわらず振込用紙が行き違いになりましたらご容赦ください。

当会は公的支援を受けず会費だけで運営する自助グループですので、当事者だけではなくこの課題に関心をお持ちの方々にもご参加いただき、ご支援願えれば幸いです。今号で振込用紙の同封を終了いたしますので、ご卒業の方にはこれまでもご協力に心から感謝申し上げます!(^^)!


□緊急提言:学校の長期休み明け子ども自殺急増→「学校よりも命が大事」という意識の徹底を! 

□北海道新聞にフリースクール特集が!すまいるも大きく紹介、庄司さんの笑顔が素敵ですね!(^^)!

□「子育てハッピーアドバス」の明橋大二さん講演録
Fonte(全国不登校新聞社発行)に累計300万部超えの大ベストセラー「子育てハッピーアドバイス」シリーズの著者・明橋大二さんの講演録が掲載されました。とても具体的で分かりやいです。

私は次女が出産したときこの本をプレゼント、とても重宝したとのことです。次女は「読む前と読んだ後で子育て観が変わった」と話しており、友だちの出産祝いにも本著を送っているそうです。

□北海道新聞記事 『岐路に立つ自主夜間中学 遠友塾』(裏面に3月・4月の行事予定を印刷)
会員のお子さんで中学の不登校時期に「函館遠友塾」に通った方もいます。塾生の大半が高齢者なので、皆さんから孫のように可愛がられ、貴重な居場所のひとつになったようです。遠友塾は札幌、旭川、釧路でも活動しており、不登校だった若者がもう一度基礎から勉強したいということで受講する方も結構参加しているそうですので、「多様な学びの場」の一つとして大きな役割を果たしています。


【アカシヤ会2015年12月例会に参加して…運営委員・後藤健一】

 久しぶりの参加でしたが、皆さんがアカシヤ会から元気をもらっているためか、和やかな雰囲気の中、いつもどおり簡単な自己紹介から始まりました。(代表の野村さんが目の手術を終えて病院から外出許可をもらって出席くださったことも、皆さんの大きな励みになっていたように思います。)

一番印象的だったことは『無理に嫌々ながら学校に行かせて子どもが《死》に至るような後悔はしたくない』『「学校へ行かなくていいよ!」と言ったら子どもがすごく喜んでいた!』『《学校へ行かない》という選択肢をしたときに、子どもも親も不安から解放された』というお話がありました。

 学校へ行かなくなるお子さんの多くが真面目で繊細、学校や社会に対して何かしら疑問を抱くような《大人》の感覚を持ち合わせていることを強く感じます。成績が優秀で小中・高校・大学とストレートで育った一部の教員には感じることのできない素晴らしい感性を持っているからこそ、閉塞的で効率優先の《学校》や《社会》に疑問を感じるのだと思います。《普通に学校へ行くこと》《当たり前に学校に行くこと》から、ときには《学校に行かない》選択もあるのだということを多くの保護者・教員・保健医療福祉関係者などに知っていただきたいと思うのです。

 『学校に来ないと社会性が育たない?!』そんなことはありません。どうしても同学年・近い年齢の人たちとうまくやっていけないとしても、定時制高校や通信制高校に入学して、異年齢の人たちと接することの方が居心地が良いというお子さんも中にはいらっしゃるのだと思います。

 義務教育の中で『学校に来ないと卒業させない!』と脅かしともとれるような対応をする一部の学校がまだあるようですが、アカシヤ会の中には『ちゃんと卒業できるますよ!』『一度も学校へ行かなかったけど卒業しました』という親御さんがいらっしゃいます。高校は単位取得が進級や卒業の条件になるので、不登校するなら義務教育のうちに、じっくり休むこと、しっかりエネルギーを蓄えることを大切にしてほしいと思います。

 お子様の不登校の事実を受け入れて、《やる気》になるときを待つというのはかなり根気のいることだと思いますが、やる気になったら《人生いつでもやり直しができる!》という心構えで親子一緒に臨んでいただきたいと思います。子どもの居場所、親の居場所づくりのために、これからもアカシヤ会が親の本音を語り合える場所であって欲しいなあ~と思います。


【フリースクール利用は自動車税の減免対象外???】

療育手帳を所有する家族の通学・通院に自家用車を利用する場合、自動車税が減免されます。会員のお子さんが自閉症スペクトラム障害で療育手帳を取得、函館圏フリースクールすまいるを利用しており、自動車税減免を申請しましたが、フリースクールは公的機関ではないことを理由に当初は認められませんでした。

 しかし、学校が強いストレスとなって登校できないお子さんにとって、フリースクールはとても大切な成長の場であり、納得いかないご家族と会員の有志が道税事務所と交渉を重ねた結果、手帳申請の診断を行った医師が「フリースクール利用が療育に必要」との意見書を出してくださり、減免申請が認められました。ご家族・関係者の努力に心から敬意を表します!

今回は「医師の意見」が条件になっており、フリースクール利用が即減免の対象になったわけではありませんが、交渉の過程で税務当局もフリースクークの果たす役割について認識してくれたようです。このようなことからも、国や地方公共団体は、子どもの様々な学びや体験の場としてフリースクールが果たしてきた大きな役割を正当に評価し、憲法第26条に規定する普通教育の一環として法的にきちんと認め、支えていく制度づくりが早急に求められていることを、あらためて実感しました。


※登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会では、運営委員を募集しており、現在は15名の方にお引 き受けいただいています。例会の後に適宜開催しに別途ご足労願うことはありませんので、あまり負 担にならないと思います。また、例会で話し足りなかったことなどを語り合う場にもなり、いろんな方 々とのつながりも増えます。お引き受けいただける方は野村までご一報いただければ幸いです。

◇例会参加費:資料代200円(年会費千円納入の方、17歳以下のお子さんは無料です)
◇代表:野村俊幸
〒042-0932函館市湯川町1丁目25番4号 
携帯:090-6261-6984
FAX:0138-57-3041 Eメール:tnomura@sea.ncv.ne.jp