「アカシヤ会」会報 2015年3月発行 第244号

函館・登校拒否と教育を考える親の会「アカシヤ会」が定期的に発送しているニュースレターを掲載いたします。

2015年初例会の1月18日は19名と参加者多数で、しかも初めての方が6名もおいでになり、
「小中学生の不登校」「高校進学問題と高校生年代以上の不登校」「発達障害が気になる」の3グループで話し合いましたが、それでも時間が足りませんでした。

2月15日例会も21名と多数の参加者で、「進学問題・高校年代以上」と「小中学生の不登校」の2グループで話し合うほか、発達障害についての個別相談も行いました。
終了後の新年会も13名が参加、話が尽きず、気がついたらナント4時間半も経っていました(^_^;)

例会日程:会場は函館市総合福祉センター「あいよる21」開催です(13:30~16:00)

3月15日・4月19日・5月17日・7月19日は4階会議室、6月21日は1階集会室です。人数が多い場合はテーマや年代別にグループで話し合います。

3月19日(木)12時~14時「ランチ例会」を開催します!(^^)!

会場は函館圏フリースクールすまいる(函館市大手町9-13)で、参加費は無料ですが「各自一品+α持ち寄り」で、昼食をシェアしながら楽しく語り合いましょう!

「すまいる」を見学する良い機会にもなります。当日直接参加もOKですが、参加希望者はできるだけ事前に野村までご一報ください。

アカシヤ会は2015年1月から新年度ですが、これまでに95名の方に会員登録いただきました。ご協力に感謝申し上げます!(^^)! 

当会は公的支援を受けず、会費だけで運営する自助グループですので、当事者だけではなくこのような課題に関心をお持ちの方々にもご参加いただき、ご支援願えれば幸いです。


■この時期、「高校受験が目の前なのに進路が決まらない」「受験して入学できても続けることができるか心配」という話題が増えます。また、高校での不登校が長引いて進級が難しく、「留年か、中退か、他校への編入か」という選択を迫られて悩むご家族も多数参加されます。

高校に行かない、あるいは中退したまま自宅にとどまることで、いわば「宙ぶらりん」の状態になることがどの親御さんにも共通した不安で、そのお気持ちはとてよく分ります。

お子さんにそのことを問い質しても、無反応だったり、「分かっている」と言うだけで一向に動こうとしない状態に、親御さんは「この子は何も考えていないのでは?」「怠けているのでは?」といら立ちを募らせることもあると思います。


■しかし、一番不安を感じ、悩み苦しんでいるのはお子さん自身であることを、まずしっかり理解することが大切だと思います。
この年代になりますと、高校に行かないこと、中退することがどれだけリスクの大きいことか、十分に分かっています。

「分かっているけど、身体がすくんで動けない」状態のところに「どうする、どうする」と迫られても答えることができませんので「無関心を装う」ことで自分を守ったり

それが限界に達すると親とのコミュニケーションを拒絶したり、さらには様々な精神症状が出てくる場合もあります。

ですから、親御さんが「ひと呼吸、ふた呼吸」置いてお子さんと関わることが、とても大切になります。
しかし、これは「そう思うようにしよう」と決意しても、なかなかすぐにできるものではありません。

そのためには、今すぐ高校に行けなくても、あるいは高校を中退しても、「いろんな道がある」ということについて、適切な情報をしっかり把握し、「気休め」ではなく
「本当にそうなんだ」と親御さんが自身が実感することが必要になります。


■ありがたいことに最近、親御さん以外にもサポーター的な立場で参加くださる方が増えてきました。
道南のフリースクールの草分けである「チーフーキリスト教学園」学校長の庄司信雄先生は、長い高校教員の体験に踏まえて、最近は多様なスタイルの高校が増えていることを具体的に紹介してくださいました。

また、若者の就労支援事業に従事している亀田拓洋さんは、こちらが考える「いい学校→いい就職」という道が若者を幸せにするとは限らないことを体験を通してお話され、
アルバイトを含めて仕事について関心を持っている方の相談にのってくだるとのことでした。

こういった情報について、もっと詳しく知りたい、相談したいという方は、庄司先生や亀田さんに話を繋ぎますので、野村までご一報ください。


■また、親はいろんな情報を仕入れると、それをすぐにお子さんに伝え、早くどれかを選んでほしいと考えがちです。
もちろん、お子さんが気持ちを外に向け始め、情報を欲しがるような気配を見せた時は、その情報を生かしてほしいと思いますが、急いで結論を求めるような対応は禁物です。

そして、いろんな選択肢を示す際、「しばらくはゆっくり家にいる」ということも、その中にきちんと入れて伝えてほしいと思います。

仮に、お子さんがうつ病を発症して動きにくくなっている場合などは、無理な行動が病状悪化につながる恐れもあります。

今の状態を否定せず、「本人とって必要な時間・プロセスなのだ」と理解してあげてほしいのです。
そして、あくまで「一緒に考える」というスタンスに徹し、誘導や「先回り」にならないよう心がけたいと思います。


■「いじめ」をめぐって悩む方の参加は依然として後を絶ちません。
函館市議会議員の方もお忙しいなか参加いただき、ご自身の不登校経験や、息子さんが小学生のときに「いじめ」で不登校になった体験なども紹介してくださいました。

「一番大事なことは子どもの気持。いじめで苦しんでいることが分かったときに、学校に『そんな危ないところに子どもを行かせられない』とハッキリ伝えて休ませた」

というお話をされていましたが、全く同感です。子どもの安心・安全確保が何より大切であることをあらためて確認し合いたいと思います・


■それでは、何故そんな辛い思いをしてまで子どもは学校に行こうとし、親は登校させようとするのでしょうか?

会報に今年1月3日の東京新聞社説を同封しました。この中で、「不登校が問題化するのは、学校教育法の決まりで、国が認めた小中学校でしか義務教育を受けられない制度になっているからです」と指摘していますが、全くそのとおりだと思います。

「そこしか行くところがない」と思いこまざるを得ない制度になっているので、心身の危険を冒してまで学校に通い続ける事態になるのは、どう考えてもおかしいです。

 国もフリースクール支援を具体的に検討し始めたようです。その動きの中で、下村文科大臣がフリースペースたまりばを視察した際に「一つの制服に子どもを合わせていたのがいままで。

これからは、子どもに服を合わせる」と語ったそうですが、是非と本気でそのように取り組んでほしいと思います。これと関連して、朝日新聞の記事と社説も同封しましたので、是非ご覧ください。少しずつですが、変化の兆しが見えるようです。


【アカシヤ会2014年度(1月~12月)収支報告】

◇収入:173,200円~年会費110,000円、カンパ43,000円、単発参加費8,200円、その他12,000円

◇支出:172,727円~会報等送料97,105円、事務費(紙代・封筒、印字サービス等)30,902円、
         各種事業経費(ランチ例会、イイトコサガシイベント、相談会等)30,000円
         その他(全道の集い協賛金、「昴の会」5周年祝い金、HP管理謝礼等)14,720円

◇収入ー支出=473円で赤字にならずにすみました。会費・カンパをいただいた皆さんに感謝です!(^^)!

登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会では、運営委員を募集しています。

例会の後に適宜開催する形なので大きな負担にはなりません。

例会で話し足りなかったことなどを語り合う場にもなり、いろんな方々とのつながりも増えます。
お引き受けいただける方は野村までご一報いただければ幸いです。

※例会参加費:資料代200円(年会費千円納入の方、17歳以下のお子さんや学生は無料です)

※代表:野村俊幸  〒042-0932函館市湯川町1丁目25番4号 携帯:090-6261-6984
         FAX:0138-57-3041 Eメール:tnomura@sea.ncv.ne.jp

※運営委員:安藤とし子 後藤健一 小林敏雄 鈴木三千恵 高石勇光 武井砂人 
田中 透 土谷結花 寺島真寿美 三浦晋一郎 吉田保美 匿名の方1名