「アカシヤ会」会報 第274号 2019年9月発行 

6月16日の例会は16名が参加、お子さんが定型発達と非定型発達のグループに分かれて話し合いを行いました。

発達障害が不登校の原因という誤った考えが流布していますが、、発達障害が周囲にきちんと理解されず、不適切な関わりをされることから不登校に追い込まれる現実があります。

特に先生方には、このことの理解を深めてほしいと願っています。

 

7月21日の「前川喜平さん教育講演会」の後の家族懇談会には26名の方が参加されました。

登校拒否を考える全国ネット代表の奥地圭子さんから具体的な助言もたくさんいただき、有意義なつどいとなりました。

アカシヤ会の例会日程

例会日程:会場は概ね函館市総合福祉センターあいよる21で(13:30~16:00)

9月18日は4階会議室、10月20日は3階第1会議室、

11月17日、12月15日は4階会議室、

年明け1月19日、2月16日は3階第1会議室です。

 

「KHJ全国大会in北海道」のお知らせ

10月12日(土)・13日(日)、KHJ全国大会in北海道が札幌で開催されます。

全国からひきこもりの家族会や支援者などが集まり交流する貴重な機会です。

私も12日のシンポジウムに登壇し、道南ひきこもり家族交流会「あさがお」の活動などについて報告させていただく予定です。

詳しくは同封チラシをご覧ください。

 

北海道新聞に記事が掲載

北海道新聞の7月11日付け「問う参院選」に「不登校支援をもっと」という記事が掲載されました。

野村も取材を受け、コメントが紹介されました。

選挙は終わりましたが、ここで述べられた諸課題は引き続き未解決のまま残っていますので、記事を同封いたします。

 

チャリティーコンサートのお知らせ

9月15日(日)19時から、アカシヤ会・あさがお・昴の会支援のチャリティーコンサートが開催されます。

会場はシネマアイリス裏のライブバー「ギルド」で、入場料は千円(ワンドリンク付)です。

 

「前川喜平さん教育講演会」を開催しました

不登校をめぐる文科省の方針は変わりつつあるのに、会に寄せられる相談は以前とあまり変わっておらず、不登校の子どもと家庭の悩みは大きいまま…。

2016年に教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)が成立し、「不要項児童生徒の休養の必要性」や「学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性」が規定されました。

 

文科省も同年9月に「不登校児童生徒の支援の在り方について」という通知を出し、「不登校を問題行動と考えてはならい」と明記し、フリースクール等との連携を打ち出しました。

しかし、そのことがなかなか浸透していないのが現状です。

 

そこで、そのような状況いを少しでも変えたいということで、アカシヤ会では「登校拒否を考える全国ネットワーク」とともに、元文科省事務次官の「前川喜平さん教育講演会~不登校でも大丈夫~多様な学びと教育機会確保法」を函館大学で開催し、約300名もの方に参加いただきました。以下、そのレポートです。

 

【前川喜平さん教育講演会に参加して】 運営委員:鈴木三千恵

7月21日に市民向けに「教育講演会」を開催することに決め、いろいろなアクシデントはありながらも、代表野村さんと共に、たくさんの会員の方の協力のもと、予想を100名も超える大盛況と言っても過言でないくらいの参加人数で無事終えることが出来ました。

 

函館大学の161講義室は、300名が入る場所で、ほぼ満員。

今回司会を担当し、参加者の方々の表情も見ることができ、本当にあっという間の時間でした。

 

アカシヤの会が出来て26年が過ぎ、私自身も10数年、会の一員として関わってきたのですが、こんなにたくさんの人が関心を持ち、そして今回は学校の先生からの申し込みが結構あったのは、会の発足以来のことだと聞き、うれしくなりました。

 

前川喜平さんのお話は、学校の歴史から始まり、なぜ個性豊かな子どもたちが「不適切」とされてしまうのかなどなど、ひも解きながら語られ、面白くもあり、納得することも多くありました。

学校という文化、風土が変わりにくい背景も説明され、なるほどな~と感心しました。

 

私は空港に出向き、前川さん、全国ネットの奥地さん、野村事務局長を出迎え、一緒に食事を取ったり、少し特別な時間を過ごしました。

この日は何と言っても司会が…。「喜平さん…お時間が…」「前川さん、そろそろ…」「手短に…」などと、質問を振っておきながら、短く話してくださいという、大変身勝手な司会になり、大変恐縮しましたが、帰りの車の中での会話で「済みませんでした」と伝えると、「いやいや、話し出すとね~~もうしわけない」と笑っておられました。

 

私は「不登校をしている子どもたちは、自分の人生をかけて、社会にこれでいいのか?」と問いかけていると思っています。

学校そのものが変わってほしいのですが…。

 

不登校時代についた心の傷は結構深くて、快復するのには時間がかかります。

傷を少しでも浅く、軽くできるように、これから函館市などの行政にも伝えていくことが出来れば、いいのに…とその日の打ち上げで出た話題を実現できるように、取り組めたらいいなと思っています。

ありがとうございました。

 

【奥地圭子さんを囲んでの家族懇談会に参加して】 運営委員:土谷結花

「不登校になるとみんな起立性調節障害? 朝は具合が悪くて学校に行けいないんだと訴える子どもを何とかしようと焦る親は、とりあえず病院へと駆け込む。

 

そこで告げられる病名は「起立性調節障害」。

まずは規則正しい生活をして、日光を浴びること。昼夜逆転を直し、ゲームやネットばかりの生活の見直しを求められる。

学校に行けなくなり不安定になるのは当然のことなのに、強迫性障害などと言われて、親の不安はさらに増し、追い詰められていく。

 

奥地さんに必死で涙をぬぐいながら質問をしたお母さんの姿に、5年前の自分を重ねた。

奥地さんは穏やかな口調ではっきり言った。

「昼夜逆転、ゲーム、散髪に行かないとか風呂に入らないとか、不登校になった子どもたちは、電池切れでエネルギーが全くないのだから、あたり前のことなんです」、そして不安でいっぱいのお母さんに寄り添うように、「でも難しいわよね…お母さんは大変よね」と優しく話かけた。

 

私達に何が出来るか?「考える時…

中学の入学条件が不登校という学校(東京シューレ葛飾中学校)を作った奥地さんの話は斬新だった。

不登校、登校拒否という言葉は日本だけで、諸外国では「ホームスクーリング」と呼び、家で過ごすことが何のためらいもなく実践していることに、日本は確実に遅れていることを知る。

 

これは学校や教育現場だけの問題ではなく、私達も知っておかなければいけないことなのだ。

教育機会確保法という法律が出来ても、まだ知らない教育関係者、保護者もたくさんいる。

いまだに、とりあえず登校してもらわないと学校としては支援できません、という話もある。

 

前川喜平さん講演会は300名の参加はあったものの、教育関係者は2~3割程度というのは残念に思う。

不登校は増える一方で、苦しむ家族は多いにもかかわらず、前川さん講演会終了後の開催した奥地さんとの懇談会に参加者が少なかったことに、アカシヤ会としても反省点があると思った。

 

もっと多くの人に、苦しんでいるのは自分だけではないということ、話せる場があるということを知ってもらいたい。

親の笑顔がなければ、子どもは決して変われない。元気になれない。絶対に…

親の笑顔を取り戻すために「親の会」があるのだと、奥地さんの話と共に再確認した一日でした。

 

「登校拒否と教育を考える函館アカシヤ会」

◇代表連絡先:野村俊幸  〒042-0932函館市湯川町1丁目25番4号

携帯:090-6261-6984

FAX:0138-57-3041 Eメール:tnomura@sea.ncv.ne.jp